0075月13日読了時間: 1分感想文22 冨部 久志という人物が花火写真家・金武 武とシンクロして、心地よい読後感の小説を書いて見せた。 飾らない文章だが主人公と作家の相性が見事に一致したとでもいえばいいのだろうか。作家、写真家ともに不器用な印象であることがこの小説を牽引して物語は進む。その初心の強さが読者を引き込んで行くのである。 小説にとりかかって17年の歳月がかかったとあったが、飲みやすくコクを含んだワインのようにほどよく熟成されたようだ。いつの間にか小説を読了していました。
冨部 久志という人物が花火写真家・金武 武とシンクロして、心地よい読後感の小説を書いて見せた。 飾らない文章だが主人公と作家の相性が見事に一致したとでもいえばいいのだろうか。作家、写真家ともに不器用な印象であることがこの小説を牽引して物語は進む。その初心の強さが読者を引き込んで行くのである。 小説にとりかかって17年の歳月がかかったとあったが、飲みやすくコクを含んだワインのようにほどよく熟成されたようだ。いつの間にか小説を読了していました。
感想文23貴重な著書を読ませていただきありがとうございました。 感想が遅くなってすいません。一度読ませていただいてから何度か読み返しをさせていただいていました。主人公が私と年齢が近いこともあり、共感するところもありました。 もっとも印象に残ったのは、喘息の発作の苦しさを表現した部分で、「長い夜」の発作を起こした時の様子や「森の中の学び舎」(その三)で、悠二が岡沢の発作の苦しみを想起している部分でした。これを
感想文21写真は、真実を写さない。 では、花火写真家は何を写したかったのか。作家は、花火写真家の生涯を小説にすることで、何を写し取りたかったのか。 冨部久志『人生の花火』(新潮社)は、実在の花火写真家である金武 武をモデルに、死をも意識するほど喘息に苦しんだ少年が、たまたま訪れた花火大会をきっかけに、従来の花火写真を凌駕する作品をつくり、日本における花火写真家の第一人者になるまでの人生を描いた小説だ。 モデ
感想文20凡そ、半世紀以上昔。宝ヶ池の国際会議場に来賓があると、打ち上げ花火が上がっていました。まだ小さかった私は音がすると急いで表に出て花火を眺めていました。 結婚後に移り住んだ浜松では夏場、毎週のように町内で花火があがっていました。打ち上げ花火を真下から見た初めての経験でした。そして、今回衝撃的な花火に巡り会えました。私が見ていた花火の正体はこんなだったんだと。沢山の人々を感動させるエネルギーの原点を垣