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石月文庫について(39)

更新日:2023年10月24日


 石月正広さんとは京都の友人の紹介で、とある動物を共に愛する仲間として知り合い、神保町のPASSAGEでも『人生の花火』とともにその著作を二冊置かせて頂いています。また、ご自宅にも何度かお伺いしていますが、与謝蕪村を主人公とした『夜半亭』という作品の取材で懇意になられた京都の谷口酒造の「蕪村翁」という日本酒を、その度に美味しく賞味させて頂いております。

 そんな石月さんが、最近、これまでの著作を電子ブックの形で無料配布されました。



 その理由について、こう述べられています。


 現役の物書きですが、小説で食べていこうという考えはなくなりました。小説を書くの     は、ただただ多くの読者に読んで貰いたいという思いからです。同じ地球という惑星に生まれた同世代の仲間に伝えておきたいことがあるのです。それを小説という形でVOYAGERの「ロマンサー」から発信していきます。老驥伏櫪(ろうきふくれき)、千里を思う。──生きている限りは書きつづけていく所存です。


 「老驥伏櫪、千里を思う」という言葉は恥ずかしながら初めて知りましたが、とある動物への愛も感じられる、素敵な言葉ですね。

 なお、私自身は石月さんの作品の愛読者でもあり、既に多くの作品を読ませて頂いていますが、少し前に電子ブックとなった、『干潟のピンギムヌ』を特にお勧めします。



 これは戦前、西表島に移住して炭鉱夫となった人々の悲惨な物語ですが、綿密な取材と作者の想像力の産物として、大変余韻の残る作品となっています。特に私が好きなのは、腐敗した大人の世界の中で貫き通される少年たちの、文字通り亜熱帯での熱い、ひりひりとする痛みを伴った友情です。興味のある方は是非ともお読みください。

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