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人生の線香花火(47)

更新日:2023年8月23日


             金武 武さん制作のカレンダーより


 夏真っ盛りの8月、神田神保町のPASSAGEと渋谷〇〇書店のテーブルを独占して、金武 武さんの花火写真を展示するとともに、小説のPRを行いました。どちらも昼の12時から夕方まで、花火写真を眺める人を見つけてはその由来を説明し、次に小説の紹介へと誘導していったのですが、結局売れたのはPASSAGEでは小説2冊に花火写真集1冊、渋谷〇〇書店では自分と知人の小説1冊ずつという結果でした。しかも、PASSAGEでの購入者はそこでアルバイトをやっておられる福地さんと予め声を掛けていたS新聞の方だけで、数十人に声を掛け、説明を行ったものの、ほとんどの人は買ってくれないという今更ながらの現実に、どっと疲れが押し寄せました。

      展示台二つのうちの一つ。特製Tシャツを着てPRに努めましたが。


 実は新潮社との販売契約が既に切れてしまい、手元に500冊余りの本が戻ってきました。さて、これをどうやって販売していけばよいか。やはり、できるだけ多くの人に読んでもらいたいと思って、価格をほぼ半額の1000円にしました。そうすると、今まで定価で買って頂いた方には大変申し訳ないことになってしまいます。そこで、そういう方にはもう一冊無料で進呈することに致します。送り先等についてはメールでご連絡ください。


 さて、書評家の岡崎武志さんには、この小説は冨部が打ち上げた大輪の花火であるとの言葉を頂き、本の帯にも書かせてもらいましたが、実際には大輪の花火ではなく、あの小さくて迫力のない線香花火だった、というのが実感です。しかし、線香花火にもよい点があります。まず、手で持って目の前で火花を感じられること。次にその火花の変化が豊かで、着火時間が長いものでは1分を超え、普通の打ち上げ花火より長く持つこと。——この線香花火のように、細く、長く活動していくしかありませんね。9月10日には文学フリマ大阪に参加します。昨年は5冊売れましたが、今年はどうでしょうか。

そんな中で、大変うれしい出来事がありました。PASSAGEの福地さんより感想文を頂いたことです。さっそく小説のホームページに掲載させて頂きましたので、是非ご覧になって下さい。好意的な感想文を頂くと、やはり小説を出版した甲斐があったと思わずにはいられません。皆さんから感想を頂けることが心の支えです。


 ところで花火と言えば、国立新美術館で行われていた、「蔡國強 宇宙遊 ―〈原初火球〉から始まる」を過日見てきました。北京オリンピックの時の花火の演出で有名な蔡さんですが、中国で生まれ育ち、いわきに移住して芸術活動を確立し、現在はニューヨークを拠点に活躍している彼の作品は、通常の花火の概念を超え、突き抜けた創造力を感じさせられます。特に亡き人々への鎮魂と自然への畏敬の念を胸に、今年いわきで行われた「満天の桜が咲く日」の動画には目を奪われました。既に展示会は終わっていますので、見逃した方はぜひ動画をご覧になって下さい。最後に出てくる花火が満開の桜を彷彿とさせます。


 今年はコロナの5類への移行により、全国的に花火大会が復活しています。金武 武さんも、各地の花火大会の撮影ツアー、花火の撮影方法のセミナー、テレビやラジオへの出演などに引っ張りだこで、かつてない忙しさだそうです。コロナで3年間積もりに積もっていた花火に対する皆さんの渇望が爆発しているのでしょう。私も9月24日には調布の花火大会に出かけ、しばし地上の嫌な事は忘れ、魂を解き放ちたいと思います。


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