34年目の開栓(23)

更新日:3月18日


 今から34年前、2年の米国駐在を終えて帰国を控えた私に、仕事の友人であるトムが、食事でもという事で自宅に呼んでくれた。訪れると、誰もいない様子で部屋も真っ暗。あれっ、どうしたんだろうと思っていると、突然部屋がぱっと明るくなり、クラッカーが炸裂した。いわゆるサプライズパーティーの始まりであった。

 その時、仕事仲間で来られなかったケンタッキーの友人が、私の名前入りのバーボンを送ってくれていた。私はトムに、いつか小説を書いて、それが出版された時に、このバーボンをお祝いの席上で開けると誓ったのであった。ちなみに、その小説では、トムは典型的なアメリカ人として登場すると断言していたのだが。



 それから34年経った昨日、コロナのせいで延び延びになっていた小説の出版記念イベントで、遂にこのバーボンを開けることになった。その間じっくりと熟成されていたせいだろう、その味はどのバーボンよりも濃く、またほろ苦くもあり、そして旨かった。


注:トムは右下の写真の左の人物で、右上が奥さんのマリ。ちなみに左の上の写真は、当時お世話になった、トムの亡き父親。トムの右にいるのが母親。

閲覧数:84回2件のコメント

最新記事

すべて表示