今から34年前、2年の米国駐在を終えて帰国を控えた私に、仕事の友人であるトムが、食事でもという事で自宅に呼んでくれた。訪れると、誰もいない様子で部屋も真っ暗。あれっ、どうしたんだろうと思っていると、突然部屋がぱっと明るくなり、クラッカーが炸裂した。いわゆるサプライズパーティーの始まりであった。
その時、仕事仲間で来られなかったケンタッキーの友人が、私の名前入りのバーボンを送ってくれていた。私はトムに、いつか小説を書いて、それが出版された時に、このバーボンをお祝いの席上で開けると誓ったのであった。ちなみに、その小説では、トムは典型的なアメリカ人として登場すると断言していたのだが。
それから34年経った昨日、コロナのせいで延び延びになっていた小説の出版記念イベントで、遂にこのバーボンを開けることになった。その間じっくりと熟成されていたせいだろう、その味はどのバーボンよりも濃く、またほろ苦くもあり、そして旨かった。
注:トムは右下の写真の左の人物で、右上が奥さんのマリ。ちなみに左の上の写真は、当時お世話になった、トムの亡き父親。トムの右にいるのが母親。
いい写真ですね! あたりまえですが、若い! 現地での交流写真を見るのは初めてのような気がするのでサプライズパーティーとともに印象に残るお話です。 アメリカ駐在時代の話はあまり聞く機会がなかったので、この機会に知ることができ幸いです。