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小説『人生の花火』との対話
作者のブログ


(高速)東海道中膝栗毛・終章+α(79)
昭和49年卒洛北高校同総会のあとに訪れた成徳中学校前。3月21日で既に満開の足柄桜。 安藤広重が描いた東海道五十三次の宿場町を、日本橋から始めて三条大橋まで漏れなく巡り、最後に母校である京都の洛北高校に凱旋しようという同窓生の壮大な計画が、約二年半の歳月を経たあと、遂に最後の日を迎えることになりました。 その前日、古希を迎える同窓生の記念祝賀会がありました。近年の物故者や、激しさを増す中東での戦争などの話題も出る中、この世に生を受けてからの七十年間、大震災やパンデミックなどの危機を何とか無事に潜り抜けてきた同志としての連帯感を味わったのは、私だけではないと思います。五十年以上会っていない人もいましたが、すぐに当時の思い出話に花が咲き、それまでの時空の隔たりは雲散霧消、貴重なひと時を過ごせました(翌週には古希を祝う修学院中学校の同窓会もあり、続けて出席しましたが、二次会のカラオケも含めて、これも大変楽しく有意義な会でした)。 『積木の会』というのは洛北『23期の卒業生』という事から命名されました。 さて、その翌日。まずは草津宿から。草津には母

Hisashi Tomibe
4月5日読了時間: 5分


横山剣と江利チエミと小林秀雄(78)
一見何の繋がりもなさそうに思える三人ですが、江利チエミを高く評価するという点で、その名を並べてみました。 まずはクレイジーケンバンドの横山剣。 既にご存じの方もいらっしゃると思いますが、2026年1月11日(江利チエミの誕生日)に、彼女の楽曲が、世界の主要ストリーミングサービスで一斉に配信開始されたという公式リリースが発表されています。横山剣もさっそく SOUND FUJI の企画である『私が聴く、江利チエミ』に コメント を寄せています(三人目です。下線部をクリックして、選曲もお楽しみ下さい。Spotifyやyoutubeなどで聴けます)。 江利チエミは、洋楽、歌謡曲、民謡まで難なく歌いこなしますが、同様に何でもこなす天性の歌手であった美空ひばりにはない、ある種の健康的な味わいがありますね。 そして小林秀雄。 『モオツァルト』という著作があり、ブラームスを始めクラシック音楽を深く愛していた人物が江利チエミを評価していた、というと意外に思われるかもしれません。しかし、昭和37年12月の朝日新聞に載せた『江利チエミの声』という短文で、こう書

Hisashi Tomibe
1月22日読了時間: 4分


大河原愛さんの個展(77)
「Trace of Silence 5」 京都に帰省中だった昨日、大阪高島屋で開催されていた、大河原愛さんの個展「鼓膜に残る静寂を優しさに変えるすべについてII」に行ってきました。一昨年の六月、銀座 蔦屋書店で行われていた個展については、『二つの展示会(60)』というタイトルでブログに書きましたが( 二つの展示会(60) ) 、その変わらぬ信念に基づく絵は、一年半の時を経て、より強く心に訴えかけてきました。 展示会場に貼られていた大河原さんの言葉 特に「Trace of Silence 5」は、前回、この人型をした不思議な布の絵を見た時にも、「不在と実在、悪霊と天使が同居しているような、重層的な世界を感じ」ましたが、顔のないその表情が、より豊かに表現されていて、その世界観がさらなる上の階層へと登り詰めたような迫力と重厚感に圧倒されました。いい意味での宗教画的な匂いもするこの絵は、恐らく大河原愛さんの代表作の一つになるのではないでしょうか。 また2024年より始まった動物シリーズの絵もさらに進化を遂げていて、「人の心の闇と痛みと、そこからにじ

Hisashi Tomibe
1月4日読了時間: 2分


JACARANDA社創業50周年(76)
富と名声を求める人々で溢れかえるマンハッタンを背にした少年を見て、最初、Boys, be ambitiousという フレーズが浮かんだが、いや、今はそうではない、Boys, be gentleでなくてはならないと思い直した。 昨年は勤務先の北三(株)が創業100周年を迎えたが、古希となった今年は子会社の米国JACARANDA社が創業50周年を迎えた。節目が重なるときは重なるものである。50年のうち、40年間働いたこの会社の記念パーティーに参加するため、先週、ニューヨークに赴いた。 初めてニューヨークを訪れた時には、様々な人種の坩堝であること、金持ちや路上生活者が入り乱れていること、高層ビルの立ち並ぶ姿、タイムズスクエアや五番街などの華やかな外観などに目を見張ったが、その後何回も訪れたため、いつしかそれらの光景も見慣れてしまった。しかし、目を凝らしてよく見ると、まだまだはっとするようなものに出くわすこともある。 写真のような、奇抜な外観の高層ビルがいくつも見られる。 で、そういった建物の下に、こういったオブジェがあったりする。...

Hisashi Tomibe
2025年11月17日読了時間: 3分


第5回「森羅万象の会」上松ツアーに参加して(75)
赤沢自然休養林の中を流れる渓流。以下、写真説明の冒頭に*が付いているのは、戸川覚さん撮影。 長年、木を薄く切削した「ツキ板」という商品の販売をしてきましたが、立ち木を見ても何の木か分からないことに、いささか後ろめたい気持ちを持ってきました。「木を見て森を見ず」ならぬ「木目を見て木を見ず」です。そんな私に日本旅行作家協会から森林セラピーのツアーの紹介があり、最近のトレンド樹種でもある、ひのきの美林をたっぷり見ることができるという事で、迷わず参加を決めました。 そのあと、参加者のリストが送られてきましたが、錚々たるメンバーに驚きました。まずリーダーが医師で登山家の今井通子さん、世話人が動物文学で有名な戸川幸夫の孫であり、写真家の戸川覚さん、さらに「地球の歩き方」等で有名な旅行作家・随筆家の新家靖之さん、四十年間ほど旅行会社を経営されていた野口正二郎さん、そして末席に私という布陣です。野口さんからはそのあとメールを頂き、私の大学時代の教授や先輩や同窓生の旅行のお世話をしたとのこと。そんな訳で旅への期待がますます膨らみました。最近のクマ騒動で家族はい

Hisashi Tomibe
2025年11月8日読了時間: 8分


(高速)東海道中膝栗毛・その5+α(74)
桑名駅構内の通路に描かれていたイラスト。列車が、花火が、飛び出していました。 関東に住む、1974年洛北高校卒の同窓生を中心とした東海道五十三次の旅、今回は京都からも二名の参加があり、総勢二十名となりました。 集合場所は名古屋駅でしたが、その前に、以前から気になっていた神社が近くにあるというので、団体行動の前に寄って来ました。 名鉄桜駅で降りて、小雨の降る中、五分ほど歩くと、鎮守の森が見えてきました。さらに先を行くと、ありました。富部神社。 広い境内は誰もおらず、参拝にも力が入ります。ここまで生きて来られたことのお礼と、これからの余生のご加護、そして二日間の好天と旅の無事、付け足しのようですが世界平和をお祈りしました。 ところで、この富部神社は1603年に作られたそうですが、ネットで調べても、どうも名前の由来がよくわかりません。しかも、読みは「とみべ」ではなく「とべ」で、富はワ冠ではなくウ冠、私の苗字とは似て非なるものです。私の祖先と富部神社との関りはないようです。それでも、縋る気持ちでお守りとお札を買って、ご利益を願うことにしました。

Hisashi Tomibe
2025年10月19日読了時間: 5分


藤本壮介氏の建築(73)
2019年に竣工されたモンペリエの集合住宅。フランスでは地震がないのだろう。 藤本壮介氏を知ったのは、遅ればせながら今年の 6月16日に行われた国際観光施設協会のセミナーにおいてで、氏は自らの設計による建造物をいくつか画像で紹介された。中でも驚いたのは、フランスのモンペリ...

Hisashi Tomibe
2025年9月28日読了時間: 5分


四国、ふたたび(72)
今から53年前の高校二年生の秋、修学旅行で四国を巡った。記憶は朧気で、本州から四国へどう渡ったか、何泊の旅行だったか、まるで覚えていない。また訪れた場所も桂浜と栗林公園くらいがかすかに脳裏に残っているだけで、あとは毎晩、旅館で酒を飲みながら大騒ぎして、そのたびに担任の森脇先...

Hisashi Tomibe
2025年8月23日読了時間: 6分


第三の人生(71)
7月初め、社員旅行で訪れた旭山動物公園にて。さて、何猿でしょうか? 自分の人生を大きく分けた場合、第一の人生は学生という身分に甘んじていた24歳まで、第二の人生は会社員としてずっと働き続けた70歳までだった。過ぎてしまえばあっという間の人生。...

Hisashi Tomibe
2025年7月8日読了時間: 2分
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