感想文24
花火写真家の金武武さんをモデルにした小説。
あくまでもモデルで自伝ではない。あとがきにも書かれているが、金武さんだけではなく作者である冨部さんの経験も織り込まれているらしい。
描かれている人生はまさに波乱であるように感じる。
喘息で闘病した幼少期。療養所での出会いと別れ。大人達に夢を否定され違う職につくも長続きせず退職。そして結婚式場のカメラマン見習いになったり。
しかし学生時代に見た花火の感動をカメラに納めようと進む主人公の姿には勇気を貰える。
他の登場人物達も魅力的な人ばかり
「なんかこういう苦手なやついたよなぁ」とか幼い頃の憧れのお姉さんとかそういう人達とのやり取りや、病気での苦しみや生きる上での葛藤、もがきが実に鮮明に描写されている。
出会いから17年かけて文章に落とし込み、作り上げただけありそこには人生がつまっている印象。
自分自身遺伝性の難病にかかっており、その病気の中では軽い方ではあるが、チック症も重なり学校に通えなかった時期があったので、学校で勉強が遅れるや友達との交流があまり出来てない部分自分と重ねて読んでいました。
生きる事は勿論夢へ挑む事への大変さは過酷ではあるが、それが花開いてるのには笑顔がこぼれました。