既視の海2月19日6 分感想文21写真は、真実を写さない。 では、花火写真家は何を写したかったのか。作家は、花火写真家の生涯を小説にすることで、何を写し取りたかったのか。 冨部久志『人生の花火』(新潮社)は、実在の花火写真家である金武 武をモデルに、死をも意識するほど喘息に苦しんだ少年が、たまたま訪れた花火...
藤分典子2022年10月5日1 分感想文20凡そ、半世紀以上昔。宝ヶ池の国際会議場に来賓があると、打ち上げ花火が上がっていました。まだ小さかった私は音がすると急いで表に出て花火を眺めていました。 結婚後に移り住んだ浜松では夏場、毎週のように町内で花火があがっていました。打ち上げ花火を真下から見た初めての経験でした。そ...
ジョージくん2022年1月19日2 分感想文19希望と、追憶と、ひとつの小説。 小説を読まなくなって久しいのですが、今回の「人生の花火」は久々に興味をもって読んだ小説です。 花火や写真?という印象を持ちながら、読み進みましたが、青春譚として充分楽しめる物語になっていました。読んでいるうちにエピソードの多彩な展開についつ...
しよくさんじん2022年1月16日1 分感想文18『人生の花火』、楽しく拝読致しました。幾度も挫折に遇ひつつも、花火を撮る写真家といふ道を見出してゆく悠二の生き様が、印象に残りました。 私のやうな平成生まれの人間の多くは、人生如何に失敗をせずに、効率的に目標に向かつて突き進むか、といふことばかりを無意識に考へてしまつてゐる...
新荘 直大2021年12月5日1 分感想文17先日はご著書をご恵投くださり、誠にありがとうございました。 また、文学フリマにもお越しいただいたと伺いました。誠にありがとうございました。 ご著書を拝読いたしまして、お恥ずかしながら金武さんのことを初めて知りましたが、その背景にある人生と、鮮やかな花火のコントラストに驚くと...
ジャン・ピエール青山2021年11月6日4 分感想文16「人生の花火」感想 構想から17年かけて完成したという冨部久志君の「人生の花火」。 「私が経験したことだけでなく、作者・冨部久志さんの半生も織り交ぜた二人のハイブリッド小説です」 モデルとなった写真家・金武武氏が後書きで書かれている通り、この小説は写真家の人生と若き日の作者...
木坂 隆一2021年10月18日1 分感想文15冨部様 おはようございます。木坂です。 朝晩冷え込むようになり、漸く秋らしくなってきましたね。 ちょっと、読むのに時間がかかってしまい、すいません。 全文に貴殿の人への思いやり、優しさを改めて想い出す表現を感じました。 貴殿もコメントされてますように、主人公の一冊では表現で...
川北 徹2021年8月13日1 分感想文14この小説は、私が存じ上げている金武先生とは多少異なる人物が、描かれているのだろうと予想しつつ読み進めていたものの、作品の中の葉山悠二さんと現実の金武先生の関係に少し混乱していました。 私はここ数年間の写真家としての先生しか存じ上げませんので、花火写真以外の先生像を葉山さんに...
金武 武の家族より2021年7月25日2 分感想文13セミフィクション小説「人生の花火」の感想を家族目線で書いてみたいと思います。 まず感じたことは金武武の物語というより金武武が歩んできた人生の大筋を主人公の葉山悠二さんが歩んだ場合はこういう考え方をするんだなぁという印象です。...
京子2021年7月11日1 分感想文12読書に苦手意識がある私が、この本の第1ページを開くにはかなりの覚悟が必要でした。 ところが、最初の6行でスッと悠二の人生に吸い込まれて行きました。 細かい描写に風景や状況が目の前に広がります。彼の仕事の内容の詳しい説明にも知らなかった知識を得た気がしました。展開の早さもあり...
砂町2021年6月14日1 分感想文11お知らせをいただいてから日が過ぎてしまいましたが、 先日、ネットで作品を求めて、読ませていただきました。 率直に、大したものだなあというのが感想です。 手に取った時には、ずいぶん立派で、長そうで 荷が重い感じがしたのですが、予想に反しました。...
直江2021年5月15日1 分感想文10一気に読み終えました。 初志貫徹 自分が一生かけて取り組める「花火写真家」を掴み取ったことは、宝ですね。 この世に一つしかない金武さんの生きるすべ。 持って生まれた金武さんのやさしさや明るさ、素直さや器用さ。 この本の中で、本当は大変な事なのに、思わず笑ってしまう場面。...
tara2021年5月11日1 分感想文9さて、遅くなりましたが、「人生の花火」拝読いたしました。 4月の中旬には読み終えていたのですが、何となく日が過ぎ・・・。 厚い本なのにトントン読め、ちょっと説明過剰かと思えるところもありましたが、 その場の空気感というか登場人物(特に主人公が感じている)心情がとても上手く表...
山下清徳2021年5月8日2 分感想文8徳川家康の遺訓の一つに、「人の一生は重荷を追うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。不自由を常と思えば不足なし」というものがある。けだし至言であると個人的には思う。現代語でいえば、人の一生というものは、重い荷を背負って遠い道を行くようなものだ。急いではいけない。不自由が当た...
浦川哲朗2021年4月17日4 分感想文7不思議な経験をした。偶然続けて読んだ2冊の本がシンクロした。互いの内容を補完し合い融合して、より深い理解と感動を与えてくれた。 最初の1冊は、幼馴染の冨部久君が、構想20年会社勤めの傍ら執筆した自費出版本『人生の花火』である。(以下、冨部本という。)花火写真家『金武 武』氏...
阿蘭ヒサコ2021年4月4日1 分感想文6読了。最近は小説など久しく読んでなかったのに、重い本を鞄に入れて通勤時や昼休みに貪るように一気に読んだ。 おもしろかった。悠二はもとより周囲の人物たちも生き生きと描かれていて「いるいる!」と親近感をもった。 思い返せば30年になる冨部さんとの付き合いの中で「これ、私やん」と...
上野 千津子2021年3月16日2 分感想文5一見どこにでもいるような少年がいろいろな人と出会いながら青年になっていく風景を横軸に、花火の写真を撮る執念を楯軸に、糸が絡まり、時にほぐれて物語が紡がれていくのが心地よい作品です。ただ心地よいだけでなく、この平凡な少年が実はアレルギーという困難を抱えてもがいている様子は同情...
連 健夫2021年3月14日1 分感想文4「人生の花火」読みました。 面白かったです。 花火写真家の金武氏が、 「作者、冨部さんの半生も織り交ぜた二人のハイブリッド 小説」と書かれていましたが、まさにそんな感じがしました。 登場人物、シーン、語られている音楽、様々なものが、...
浦川哲朗2021年2月20日3 分感想文3小,中,高校の同級生、冨部久君が、あの大手新潮社より自費出版本を出すとの一報を聞き、大変驚いた。さらに、実物を手にして、吃驚。私のイメージの自費出版本とは大違い。カバーには、主人公のモデルである花火写真家金武武さん撮影の、美しくも妖しく幻想的な打ち上げ花火の写真、帯には、書...
安田一男2021年2月11日2 分感想文2「人生の花火』届きました。ありがとうございまいた。 さっそく読みました。良かったです。この所、自分の人生を振り返ることの多くなったBOKUでなのですが・・・。読んでいて、同感し、共感し、人生を振り返る助けになりました。そして、読了後、TOMIBE氏だなァ‥と思いました。良い...