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動画三本立て(40)



 その昔、名画座などで三本立て映画というものがありました。おしりの痛さと理由の分からない頭痛に悩まされながらも、若い頃にはよく通ったものです。どっぷりとスクリーンの中の世界に浸ったあと、映画館の外に出ると、光の眩しさと映画の世界との落差に頭がくらくらして、しばらくは地に足が着いている心地がしませんでした。

 単に同じ三本立てだという長い枕ですが、ご覧になった方の心に何か残るものがあることを願って、この三月にアップされたばかりの動画を三本ご紹介したいと思います。


 まず一本目は、海外の方による岡山県真庭郡新庄村の映像。鳥取県の大山の南側にある、人口1000人足らずの小さな村ですが、ここは亡き父が生まれ育ったところです。子供の頃、夏休みになると、蒸気機関車に乗って中国勝山駅に向かい、そこからまたバスでくねくねとした山道を走ること二時間近く、ようやく辿り着くことができた村は都会とは全くの別世界でした。涼しく澄んだ空気を胸一杯に吸いながら、従弟たちと川で泳いだり、山に登ったり、夜は盆踊り大会に参加したりと、遊ぶことには不自由しませんでした。その頃からほとんど変わっていないこの村の映像ですが、実は冒頭の写真にあるような、桜が咲いている風景を見たことがありません。十年以上訪れていませんが、生きている間にこのがいせん桜の満開の様子を是非ともこの目で愛でたいものです。


 さて、二本目は小説の帯でも文学散歩でもお世話になっている、岡崎武志さんの初のyoutube動画です。初とはいうものの、岡崎さんはテレビやラジオで書評をされたこともあるので、それほど特筆すべき事ではありませんが、やはり現代最先端のメディアということで、岡崎さんにとってもそれなりの出来事ではあったようです。ブログの記事の抜粋と共に貼っておきますので、是非ご覧になって下さい。


 「つん堂プレゼンツによる岡崎武志ユーチューブ「放課後の雑談」(ゲスト小山「古本屋ツアー・イン・ジャパン」力也さん)が、ついに本日17時より公開です。現在は、以下のリンクを送った人だけが見れる「限定公開」という状態です。ぼくも仕組みはよくわかっておりません。密造酒、という感じでしょうか。いや、違うのか。とにかく、アクセスと拡散、よろしくお願いします。こんなことになるなんて、自分でもびっくりしています。本当にもう怖いものはなく、余生を走ります。息尽きて倒れたら、その時はその時だ。かまわない」


 さて、トリを飾るのは自ら撮影した手筒花火の動画です。といってもi-phoneでないスマホによる動画、質は落ちますが、それでも手筒花火の魅力が多少なりとも伝わりませんでしょうか?

 実は、これは金武 武さんが写真撮影のために静岡で開催されたイベントで、およそ30名余りの方が参加されました。私は見学のみで、手筒花火を目の前で見るのはこれが初めてでした。スケール的な迫力、色鮮やかさという点では打ち上げ花火に軍配が上がりますが、人と手筒花火の一体感はより人間的な味わいがあり、危険を孕んだ火の粉の噴水は圧巻でした。

 

 さて、ここまで長い時間お付き合い下さった方、ありがとうございました。

3 kommentarer


藤田祥一
藤田祥一
21. mars 2023

😮わぁ〜すごいですね〜!美しく完成度高い…こだわり抜いた映像!!

Lik

藤田祥一
藤田祥一
21. mars 2023

新庄村!ただただ懐かしい風景...見覚えのある村の雰囲気...50年前とあまり変わっていない? いや、桜はこんなに大きくなかった(はず)...花が咲く頃に行けたらいいですね! しかし、海外の方が撮影したとは驚きで、この村をどのようにして認知したのでしょう😚

Lik
Hisashi Tomibe
Hisashi Tomibe
21. mars 2023
Svarer

そうですね、変わってないですよね。桜並木を越えたところで、おじいさんの家が映るかと思ったら映らなくて残念でした。この撮影者は関西を中心に映像を制作してられますね。京都はかなり撮影されているので、良かったら、見て下さい。

Lik

小説『人生の花火』との対話

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